[ テキスト：土橋 陽子 ]

もうすぐ新学期！お子さんが時間通りに支度してくれるかどうか不安に思う親御さんも多いのではないでしょうか？

魔法のように時計が読めるようになる！とご好評いただいているアナログ時計「funpunclock（ふんぷんくろっく）」は、子どもが自ら「いま、なんじ？」と知りたがる年齢のお子さん向けに、2年かけて開発し10年前に発売しました。私の子どもたちが通っていた日本モンテッソーリ教育綜合研究所附属「子どもの家」*1の主任研究員・櫻井美砂先生のアドバイスのもと、レムノスさんの知見を合わせて「インテリアに馴染む、子どもが読みやすい時計」になるよう、手探りでデザインしたものになります。

「ふんぷんくろっく」には、大きく分けて2つのシリーズがあります。時刻そのものが「きちんとわかる」60個の点を打った「funpunclock」と、幅をもった時間を「おおらかに把握」する4分割した円グラフのような「funpunclock with color!」です。それぞれのシリーズに壁掛け、卓上、腕時計とアイテム展開をしています。（腕時計はTiCTACさんお取り扱い）

自然素材の木枠を採用し、よりインテリアに馴染むカラー展開に！

そんななか、SDGsの観点から新しい仲間が昨年増えました！新発売したfunpunclock with color!は、プライウッド枠*2を採用。色の効果で時間感覚を育む機能はそのままに、落ち着いたカラーリングが、大人の方も手に取っていただきやすいアイテムです。どのようなインテリアにも馴染ませやすいニュートラルカラーのベージュとアイスグレーに加え、きれいなジェンダーレスカラーのライラック色があります。

ご愛用者の方々の声から生まれたアイテム

実はこのライラック色はSNSのアンケートに寄せられた、とあるDMからの取り組みになります。

@funpunclockにてアンケートにご協力いただきました

私自身は数年前からランドセルで人気のあったラベンダーカラーを採用したいと思っていたのですが、ラベンダーって赤と青の比率やどれぐらいの明度を選択するかによって 無限に色の種類があります。

数種類の色を試作見してアンケートを取らせていただきましたが、どの色も良いと言えばいいどれも好きだけれども逆を返せば決め手に欠けると言う感想を持っていました。1人で選べないし皆さんと一緒に選んだら楽しいかなぁと気軽に始めたアンケートでしたが、
ある日1通のDMから忘れていた“子どもの視点”を思い出させていただきました。

「うちの子は5歳になる男の子ですが、きれいな色が好きです。性別問わず手に取れる青みがかった紫で試作を作っていただくことはできませんでしょうか?」

そういえば私の子どもたちが通っていた幼稚園でも、髪の毛を長くしてスカートを履いてみたり、かと思えば丸坊主にしてみたりと 自由にその時好きだと思うスタイルで幼稚園に通ってくる男の子がいました。男の子らしいから丸坊主、女の子らしいから長い髪の毛、男の子だから青、女の子だったらピンク、といったような性別による思い込みは大概は大人が押し付けたものです。

とは言えfunpunclockを作ってくださっているレムノスさんはメーカーさんなので、SDGsの観点から開発することになった木枠カラーの中に、きれいな色「ライラック」を敢えて採用する優意性をきちんと説明する必要があります。

SDGs 5番目「ジェンダー平等を実現しよう 」

funpunclockは子どものために作っているアナログ時計です。自分の気持ちをまだきちんと大人にわかるように言葉にできない子どもたちの気持ちを組み、こちらから歩み寄ってこういう選択肢もあるよと示してあげることが大人の責任でもありますよね。そういったお話をレムノスさんにさせていただいた時に、取締役の方自ら子ども用品売り場に足を運んで下さり人気のランドセルの色の他にも玩具にもジェンダーレスな選択肢が増えていることを自ら納得した上で腹落ち感があると言うことで採用していただくことができました。

子どもはきれいな色が好きです。好きな色を選べば自ら時計を見てくれることでしょう。ぜひお子さんと一緒にどの色が好きかおうちのインテリアに合うかお話ししながら決めてみてくださいね。

おかげさまで、今でもSNSやDMで子育て世代の幸せな日常の風景を拝見させていただきとても嬉しく思っております。有難いことで、心より感謝しております。これからも皆様の声をお聞かせ願えれば幸いです。

*1日本モンテッソーリ教育綜合研究所
https://sainou.or.jp/montessori/index.html
*2 プライウッド　積層した木を曲げたもの　funpuclockでは楽器のドラムの部品を採用しています